仕事に集中していたら、いつの間にか肩に力が入っていた。
スマートフォンを見ていて、ふと顔を上げたら首がガチガチ。
忙しい一日が終わってから、「今日、ずっと体に力が入っていたかも」と気づく。
そんなことはありませんか?
首肩こりや背中のこわばりを感じているとき、少しだけ呼吸にも目を向けてみると、「息が浅くなっていた」「息を止めるように作業していた」と気づくことがあります。
だからといって、無理に大きく深呼吸する必要はありません。
今回は、呼吸が浅いと感じるときと首肩こり・背中のこわばりについて、日常生活の中でできる小さなセルフケアをお話しします。
気温が下がる時期に首や肩がこわばりやすくなる理由については、こちらの記事でもご紹介しています。
▶︎ 🔗「秋になると首や肩がこりやすい?気温が下がる時期の体の変化」
呼吸が浅い、首肩こりもつらい。そんなとき体はどうなっている?
普段、私たちは「息を吸おう、吐こう」と考えながら呼吸しているわけではありません。
だからこそ、忙しいときや何かに集中しているときには、自分がどんな呼吸をしているのか気づきにくいものです。
たとえば、
- パソコンに向かっている
- スマートフォンを長く見ている
- 細かい作業に集中している
- 時間に追われている
- 緊張する場面が続いている
そんなとき、肩が上がっていたり、背中が丸くなっていたりすることがあります。
呼吸するときには、胸やお腹だけでなく、肋骨のまわりや首、肩に近い筋肉も動きに関わっています。
体に力が入った状態が続けば、「胸が広がりにくい」「息がいつもより浅い気がする」と感じることもあります。
反対に、息苦しさを感じて呼吸を頑張ろうとすると、首や肩にさらに力が入ることもあります。
どちらか一方が必ず原因というより、姿勢や緊張、疲れなどが重なった結果として、両方が気になることもあるのです。
「深く吸わなきゃ」と頑張らなくても大丈夫

「呼吸が浅い」と気づくと、
「深呼吸しなきゃ」
と思うかもしれません。
でも、大きく吸おうとして肩を持ち上げたり、胸いっぱいに空気を入れようと頑張ったりすると、かえって体に力が入ることがあります。
まずは「たくさん吸う」ことより、今の呼吸に気づくところから始めてみましょう。
まず、息をゆっくり吐いてみる
楽な姿勢で、一度「ふーっ」と息を吐いてみます。
全部吐き切ろうとしなくて大丈夫です。
苦しくならない程度に、いつもより少しゆっくり。
吐いたあと、次の息は無理に吸い込まず、自然に入ってくるのを待ってみます。
それを数回。
呼吸法として完璧に行うことより、「今、肩に力が入っていたな」「思ったより息を急いでいたな」と気づくことのほうが大切です。
首・肩・背中がこわばるときのセルフケア
呼吸だけを変えようとするより、呼吸しやすい状態をつくるように体を少し動かしてみる方法もあります。
1.肩を上げて、ストンと下ろす
両肩をゆっくり耳のほうへ近づけます。
そのあと、ストンと力を抜きます。
一度やってみるだけでも、
「さっきまで肩が上がっていたんだ」
と気づくことがあります。
何度も繰り返したり、力いっぱい肩を上げたりする必要はありません。
2.背中を少し動かしてみる
長く座っていたら、いったん背もたれから背中を離してみます。
腕を軽く後ろへ引いたり、肩を前後にゆっくり回したりしてみましょう。
「胸を張って正しい姿勢にする」のが目的ではありません。
同じ姿勢から一度抜け出す。
それくらいの感覚で十分です。
3.首を無理にぐるぐる回さない
首がこると、大きく回したくなることがあります。
でも、痛みや違和感があるときに無理に動かす必要はありません。
首そのものを大きく動かすより、肩を回す、腕を動かす、立って少し歩くなど、周りから体を動かしてみる方法もあります。
痛くない範囲で、「少し気持ちいい」と感じる程度にしておきましょう。

4.仕事や家事の「区切り」を使う
セルフケアを続けようと思っても、
「1時間ごとにストレッチ」
と決めると、忙しい日は忘れてしまいます。
メールを一本送り終わったとき。
トイレに立ったとき。
洗い物が終わったとき。
信号待ちをしているとき。
そんな普段の生活の区切りで、一度肩の力を抜いて呼吸してみる。
新しい習慣を増やすより、すでにある行動にくっつけるほうが取り入れやすいこともあります。
呼吸が浅いと感じたら、体だけでなく一日の過ごし方も振り返る
呼吸や首肩のこわばりは、姿勢だけで決まるものではありません。
「今日はずっと急いでいた」
「仕事で緊張することが多かった」
「最近、睡眠不足だった」
「寒くて一日中肩をすくめていた」
そんな日もあります。
忙しいときや緊張しているとき、体は知らないうちに力が入りやすくなります。
心配事があるときに肩がこったり、ほっとした瞬間に「ふーっ」と大きく息を吐いたりするのも、心と体が別々ではないことを感じる場面かもしれません。
こうした体の調整には自律神経も関わっています。
ただ、「呼吸が浅い=自律神経が乱れている」と決めつける必要はありません。
まずは、
最近、力が抜ける時間があったかな。
ずっと同じ姿勢ではなかったかな。
少し疲れがたまっていないかな。
そんなふうに一日の過ごし方を振り返ってみてください。
呼吸を「整えなきゃ」ではなく、気づくきっかけに
呼吸は、一日中続いています。
だからこそ、いつでも自分の状態に気づくきっかけになります。
大きく吸えなくても大丈夫。
何秒吸って、何秒吐くと決めなくても大丈夫。
「今、ちょっと肩に力が入っているな」
と気づいたら、一度ふーっと息を吐いてみる。
それだけでも、自分の体に目を向ける小さな時間になります。
セルフケアは、頑張って続けるための新しい宿題ではありません。
その日の体に合わせて、できることをひとつ。
首・肩・背中のこわばりを感じたときこそ、無理に変えようとする前に、今の自分がどんな状態なのか感じてみてください。
呼吸のしづらさが続くときは「こり」と決めつけない
首や肩がこっているときに、「呼吸が浅い気がする」と感じることはあります。
ただし、本当に息苦しい、息切れが続く、胸が痛い、動悸やめまいを伴うなどの場合は、首肩こりだけが原因とは限りません。
急な息苦しさや強い胸の痛みがある場合は、早めの医療的な対応が必要になることもあります。
「いつもの肩こりだから」と無理をせず、普段とは違う呼吸のしづらさがあるときは、医療機関への相談も大切です。
Q1.首肩こりがあると呼吸が浅くなることはありますか?
首や肩、胸まわりの筋肉は呼吸の動きにも関わっています。姿勢や筋肉の緊張などが重なることで、胸が広がりにくく感じたり、「いつもより呼吸が浅い」と感じたりする場合があります。ただし、息苦しさの原因は首肩こりだけではありません。
Q2.呼吸が浅いと感じたら深呼吸をしたほうがよいですか?
無理に大きく吸おうとすると、かえって肩や胸に力が入ることがあります。まずは楽な姿勢でゆっくり息を吐き、その後に自然に入ってくる呼吸を感じてみましょう。
Q3.デスクワーク中の首肩こりには何をすればよいですか?
長時間同じ姿勢を続けないことがひとつのポイントです。立って少し歩く、肩を回す、肩を上げて力を抜くなど、仕事の合間に小さく体を動かしてみましょう。
Q4.呼吸が浅いのは自律神経の乱れですか?
呼吸と自律神経には関わりがありますが、「呼吸が浅い=自律神経が乱れている」と単純に判断することはできません。姿勢や疲労、緊張、呼吸器や循環器の問題など、さまざまなことが関係する可能性があります。
Q5.息苦しさがあるときは病院へ行ったほうがよいですか?
息苦しさが続く、急に強くなる、胸の痛み、強い動悸、めまいなどを伴う場合は医療機関に相談してください。突然の強い息苦しさや胸痛などは、緊急の対応が必要になる場合もあります。
