【日照時間が減ると自律神経が乱れる？冬のはじまりに心と体を整える方法】

秋から冬にかけて日照時間が減ると自律神経が乱れやすいことをご存じですか？

「朝つらい」「やる気が出ない」「肩こりや冷えが強い」…そんな不調は季節による自律神経の変動が関係していることも。今回は、日照不足と自律神経の関係、日常でできる整え方、鍼灸でサポートできるポイントをご紹介します。

1：日照時間が減ると自律神経が乱れやすい理由

• 日照時間の減少で光刺激が減る
• セロトニンの分泌が減り、気分・自律神経の安定に影響
• メラトニンの分泌リズムが乱れ、睡眠の質が低下
• 交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、だるさや倦怠感が出やすい

秋から冬にかけて、朝晩の冷え込みとともに日照時間が短くなっていきます。
この「光の減少」は、私たちの体と心に想像以上の影響を与えています。

光を感じると脳内では「セロトニン」というホルモンが分泌されます。
セロトニンは“心の安定ホルモン”とも呼ばれ、自律神経のバランスを整えたり、前向きな気分を保つ役割をしています。
ところが、日照時間が減るとこのセロトニンの分泌が低下し、気持ちが沈みやすくなったり、体がだるく感じることがあります。

一方で、夜の眠りを誘う「メラトニン」は、セロトニンから作られます。
つまり、日中の光刺激が少ないと、夜の睡眠リズムにも影響が出てしまうのです。

その結果、交感神経（活動モード）と副交感神経（休息モード）の切り替えが難しくなり、心身のリズムが乱れやすくなる——。
これが、冬のはじまりに「なんとなく不調」が増える大きな原因のひとつです。

季節の移り変わりに合わせて、自律神経を整える工夫も大切です。
→ 🔗季節の変わり目の自律神経ケアの記事はこちら

2：秋冬に増える「なんとなく不調」症状

• 朝、起きるのがつらい・体が重い
• 寝ても疲れが取れにくい
• 気分が落ち込みやすく、集中力が続かない
• 肩こりや頭痛、冷えなどの身体症状も増える
• 「なんとなく不調」「元気が出ない」と感じやすい季節

気温が下がり、日照時間が短くなるこの季節。
多くの人が「特に原因はないけど、なんとなくだるい」「やる気が出ない」と感じやすくなります。

これは、寒さや光不足によって体のリズムが崩れ、自律神経の働きが乱れやすくなるためです。
朝すっきり起きられず、頭がぼんやりする。
日中も集中力が続かず、夜は寝ても疲れが抜けにくい。
そんな“なんとなく不調”は、体からの小さなサインです。

また、首や肩の筋肉は寒さでこわばりやすく、血流が滞ることで頭痛や肩こりも増えてきます。
冷えによって代謝が落ち、むくみや手足の冷たさを感じる人も少なくありません。

これらの不調を「季節だから仕方ない」と放っておくと、冬本番に体調を崩しやすくなることも。
次に紹介するのは、そんな時期におすすめの “整え習慣” です🌿

特に“冷え”は自律神経のバランスに深く関わっています。
→ 🔗冷えと自律神経の関係について詳しく読む

3：今日からできる整え習慣

• 朝日を浴びて体内時計をリセット
• 深い呼吸とストレッチで自律神経を整える
• 体を温める食事で巡りをサポート
• ミネラル（マグネシウム・鉄・亜鉛）を意識して補う

冬に向かう今の時期こそ、「朝・呼吸・食事」 の3つを整えることが、自律神経の乱れを防ぐ鍵になります。

日常でできる小さな工夫が、心身のバランスを整える第一歩です。
→ 🔗自律神経が乱れた時のセルフケアを詳しく見る

☀️ 朝の光を浴びる

朝起きたら、まずカーテンを開けて光を取り入れましょう。
5〜10分でも朝日を浴びることで、脳が「朝だ」と認識し、セロトニンの分泌が促されます。
それが夜の良質な眠りをつくるメラトニンの材料にもなるため、結果的に体内リズムが整いやすくなります。

🌬 深い呼吸＋ゆっくりストレッチ

寒さで縮こまりやすいこの季節、姿勢の乱れや浅い呼吸が続くと、自律神経はさらに乱れます。
朝や寝る前に、胸を開くようにストレッチをしながら、
「4秒吸って、6秒で吐く」呼吸を意識してみましょう。
これだけで副交感神経が働き、心が落ち着きます。

🍲 体を温める食事とミネラル補給

温かい汁物や根菜・発酵食品をとり入れることで、胃腸の働きが整い、代謝も上がります。
特にマグネシウム（海藻・豆類・ナッツ）や鉄分を含む食品は、エネルギーの循環を助けるため、
“冷え＋疲れ”が気になる人にはとても大切な栄養素です。

日々の小さな積み重ねが、季節の変わり目を軽やかに過ごす力になります🍃

4：鍼灸でできるサポート

• 鍼灸は自律神経のバランスを整える効果が期待できる
• 耳介（耳）や頭部の施術で副交感神経を刺激
• 首・肩の緊張をゆるめ、血流と酸素の巡りを改善
• 体の内側から“リズム”を取り戻すアプローチ

自律神経の乱れが続くと、体だけでなく心のバランスも崩れやすくなります。
そんなときにおすすめなのが、鍼灸による自律神経調整です。

👂 耳介・頭部へのアプローチ

耳には、自律神経とつながる反応点が多く存在します。
耳介（耳）や頭部にやさしい刺激を与えることで、副交感神経が働きやすくなり、
全身の緊張がゆるみ、心が落ち着いていきます。

💆‍♀️ 首肩の緊張をゆるめ、血流を促す

寒さやストレスで硬くなった首・肩周りの筋肉は、脳への血流を妨げ、
結果的に自律神経の働きにも影響を与えます。
鍼灸で筋肉をやわらげることで、血液と酸素の巡りが改善され、
頭の重さや目の疲れもスッと軽くなります。

🌙 副交感神経を働かせる“整えの時間”

鍼灸施術は、体のスイッチを“休息モード”に切り替えるサポートにもなります。
短い時間でも、呼吸が深まり、全身がふわっと緩む感覚が得られる人も多いです。
日常のストレスや疲労をリセットする“整える時間”として、
心身のメンテナンスに取り入れてみましょう。

5：まとめ｜冬の前に、自律神経の“準備”を

• 日照時間の減少は、心と体のリズムに影響する
• セロトニン・メラトニンのバランスを整える意識を
• 朝の光・深い呼吸・温かい食事が自律神経をサポート
• 鍼灸でのケアも、季節の変化に備える大切な手段

秋から冬への季節の変わり目は、気温だけでなく“光の量”も大きく変化します。
その小さな変化が、実は私たちの心や体に大きく影響しているのです。

日照時間が減ると、セロトニンやメラトニンのリズムが乱れやすくなり、
眠りの質や気分の安定に影響を及ぼします。
だからこそ、朝の光を浴びる・深く呼吸する・体を温める ―
そんなシンプルな習慣こそが、季節に負けない心身づくりの基本です。

もし、それでも不調が続くときは、鍼灸の力を借りてみましょう。
やさしい刺激で神経や血流のバランスを整えることで、
“冬の前の準備”として、心も体も軽やかに整えていくことができます。

この時期を、次の季節に向けてエネルギーを蓄える時間として大切に過ごしていきましょう🍀