「春眠暁を覚えず」と言いますが、実際の3月は
「眠れない」「夜中に目が覚める」というご相談がとても増える季節です。
実はこれ、気のせいでも年齢のせいでもなく、
春特有の“ゆらぎ”に体が一生懸命ついていこうとしているサインかもしれません。
春の睡眠を妨げる3つの「ゆらぎ」要因
春は一年の中で最も自律神経が“がんばりすぎてしまう”季節です。大きく分けて3つのストレスが私たちの体に押し寄せます。
1.激しい寒暖差(三寒四温)

東洋医学では「春は肝が高ぶりやすい季節」とも言われます。
1日の中で気温が10℃以上変化することも珍しくありません。体温を一定に保とうと自律神経がフル稼働し、エネルギーを消耗し尽くしてしまいます。
2. 乱高下する気圧

春は低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わります。気圧の変化は内耳(耳の奥)を刺激し、自律神経のスイッチを狂わせる大きな要因となります。
当院では耳介(耳の反応)からもこの変化を読み取ります。
あわせて読みたい: [春の気圧変化と頭痛・不眠の関係(3/20公開予定)]
3. 環境の変化(新生活の緊張)

卒業、異動、引越しなど、自分自身に変化がなくても、周囲の環境が変わるだけで脳は「警戒モード」に入ります。これが心理的なストレスとなり、夜の休息を妨げます。
なぜ「交感神経」が優位になると眠れないのか
本来、夜は“陰”の時間。
体は静まり、内側へと整っていくリズムです。
しかし春のゆらぎでバランスが崩れると、
体は常に“陽”の状態=交感神経優位になってしまいます。
- 脳が覚醒して寝つけない(入眠障害)
- 夜中にふと目が覚めてしまう(中途覚醒)
- 朝から体がだるい
といったトラブルが起こりやすくなります。
3/5公開の記事では、中途覚醒についてもう少し詳しくお伝えします。
春のゆらぎを整え、眠りの質を高めるポイント
この「ゆらぎ」の時期を乗り切るためには、自律神経のスイッチを意図的に切り替える習慣が重要です。
大切なのは「治そう」とすることではなく、
“少しずつ整える”こと。
- 朝の光でリズムを作る(体内時計のリセット)
- 3つの「首」を温める(冷えによる交感神経の高ぶりを防ぐ)
- 夜のルーティンを見直す
実践編: [寝つきをよくする夜の整え方3選(3/17公開予定)]
3月は無理せず「整える」を優先に

春に眠れないのは、あなたが弱いからではありません。
環境の変化に、体が一生懸命適応しようとしている証です。
無理に頑張るよりも、
今は「整える」を優先する季節。
3月は、がんばる月ではなく、整える月にしていきましょう。
Q: 春の不眠は自律神経の乱れ以外に原因はありますか?
A: 花粉症による鼻詰まりや肌の痒みも、睡眠の質を低下させる要因になります。これらも交感神経を刺激するため、自律神経ケアと並行して対策することが重要です。
Q: 眠れないときは無理に布団にいた方がいいですか?
A: 眠れないのに布団に居続けると、脳が「布団は眠れない場所」と学習してしまいます。一度布団から出て、温かい飲み物を飲むなどリラックスすることをおすすめします。
眠れないときの対処法は、3/27の記事で詳しくお伝えします。
Q:更年期世代は特に影響を受けやすいですか?
A:はい。ホルモン変動と春のゆらぎが重なるため、睡眠トラブルが出やすい傾向があります。
